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医院ブログ

マタニティ歯科ってなに?

マタニティー歯科
やはり妊婦さんの歯科治療は、気になる点も多いですよね。
マタニティ歯科では、女性の方の身体的・精神的変化に対応した歯科治療を行いますので、一般的な歯科診療とは異なる点が確かにあります。
今回は、マタニティ歯科と一般的な歯科との違いについてお話しします。

◎マタニティ歯科と一般的な歯科治療との違い
マタニティ歯科と普通の歯科との違いは、主に次の5つが挙げられます。

1・治療のタイミング
妊娠中の歯科治療は、原則的に応急処置と歯磨き指導などのお口のケアだけになります。そうは言っても、応急処置やお口のケア以外の歯科治療が必要なこともありますよね。
もし虫歯や歯周病などで歯科治療が必要な場合は、19週~31週ごろの妊娠中期に入ったタイミング(安定期)で、限られた時間の中で歯科治療に取り組みます。
このように、治療を受けられるタイミングが限られるのは、マタニティ歯科の特徴です。

2・レントゲン撮影
歯科で主に使うレントゲン撮影は、パノラマエックス線写真という「お口全体を写すタイプ」と、デンタルエックス線写真という「歯数本の範囲を写すタイプ」に分けられます。
妊娠中は、エックス線の線量が少ないデンタルエックス線写真が基本です。これを必要最小限の範囲で使用し、デンタルエックス線写真では情報が足りない場合に限り、パノラマエックス線写真を撮影します。

胎児の被爆は?

やはり気になるのが胎児の被曝ではないでしょうか。しかし、防護エプロンをつけてお腹を守るようにすれば、問題ありません。
妊娠していない方であっても、レントゲン写真は必要最小限に限って撮影するものですが、妊娠中は、より慎重に必要性を判断します。

3・抜歯
先ほどもお話ししたとおり、妊娠中の歯科治療は応急処置やお口のケアが原則です。したがって妊娠している方の抜歯も、原則的に行われません。
ただし、腫れや痛みを何度も繰り返すなど、どうしても抜歯しなければならないような場合は、妊娠中期に入ったタイミングで抜歯します。
もし、間に合わず妊娠後期に入ってしまった場合は、出産後まで待たなければなりません。
妊娠中でなければ、炎症が落ち着けばいつでも抜歯できますので、この点もマタニティ歯科が一般的な歯科治療と異なるポイントと言えるでしょう。

4・使用する薬
歯科治療では、抗菌薬や鎮痛薬など、様々な薬剤が使われます。薬を飲むと、薬が体内で代謝され、血液の流れに乗って身体中を巡ります。

胎盤通過性の低さ
胎盤は薬が通りにくくなっていますが、全ての薬が通れないわけではなく、胎児にも移行します。この胎盤を薬が通りやすいかどうかを胎盤通過性と言います。
薬を選ぶ時は、胎盤通過性が低い薬が理想的です。
薬の種類だけでなく、妊娠中に使って良いか、胎盤通過性が低いかどうかも、マタニティ歯科ではあらかじめ十分考慮されています。
そのうえで妊娠中は胎児への影響を考え、比較的安全性の高いものを選び、治療のメリットが危険性を上回る場合に限り、処方するようにします。
胎児への安全性の観点から、薬の選択肢の幅が限られるのも、マタニティ歯科の特徴の一つです。

5・麻酔
歯科治療では、痛みを伴う処置が多いこともあり、局所麻酔による処置中の鎮痛をしばしば行います。
妊娠中期の歯科治療では、局所麻酔が必要になる可能性もゼロではありません。局所麻酔薬は、妊娠中であっても問題なく使用できます。

強い痛みの方がデメリット
むしろ、痛みを感じることで血圧上昇や子宮収縮のリスクが上がる方が問題になります。
妊娠中の歯科治療で局所麻酔の注射をする場合は、針を刺す場所に表面麻酔をしっかりと浸透させ、注射の痛みもなくすように麻酔する必要があります。
痛みの解消については、マタニティ歯科では普通の歯科治療以上に慎重さが求められます。当院は痛みのない治療、痛みのない麻酔に定評がありますので、安心してお任せください。

◎マタニティ歯科の特徴を理解して、適切な対応を

今回はマタニティ歯科の特徴についてお話ししました。妊娠中の方の歯科診療は、一般的な歯科診療と異なり、様々な制約があります。

再度まとめますと、
  • 妊娠中の歯科診療は、原則的に応急処置とお口のケアのみ
  • 歯科治療のタイミングが妊娠中期に限られる
  • レントゲン写真撮影はより慎重に、必要最小限で
  • 抜歯も原則的には行わない
  • 使える薬の種類の選択肢が限られる
となります。
やはりこれらの点を勘案しますと、妊娠していない時期から、定期的に歯科検診を受診する習慣をつけ、妊娠がわかったらマタニティ歯科を受診していただき、歯やお口の健康管理を心掛けるのが一番と言えるでしょう。